氷河期エンジニア、セミリタイアはじめました

セミリタイアしたけど結局1年でサラリーマンに戻りました

短期間でセミリタイア資金を貯めるための思考術

私がセミリタイア資金を貯めるために、どんな思考で行動していたのかをまとめました。

次の職場のことを常に考える

会社員時代は、今の会社でどれだけ出世できるか、昇給出来るかではなく、次の会社で高賃金を獲得するためには何をやるべきかを考えて働いていました。

現在の日本では、年功序列・終身雇用の体制が既に失われていますが、それを前提とした給与形態はある程度存続しています。つまり、短期間での昇給は風土的に難しいということです。

ということで、私は最初から転職で賃金を上げることだけを考えて会社勤めをしていました。

社内限定の特殊スキルについては、最低限必要とされる程度の習得に留め、今の会社で役に立つスキルよりも、次につながるスキルの習得に時間を費やしました。

今の職場で幹部クラスまで行ける自信がある人は頑張っても良いと思いますが、そうでないならリターンは次の企業に求めた方が確実です。

スペシャリストよりもジェネラリスト

日本はメンバー型雇用でジョブ型雇用ではないとよく言われています。つまり、スキルで雇用されるのではなく、人物の総合的な価値で雇用される風土になっているということです。

そういった環境において、専門スキルのみを鍛え続けるのは非効率であると私は考えます。

専門スキルというのは、高度になればなるほど理解されにくくなります。しかし、学習難易度はドンドン上がっていきます。

結果、習得するために必要な努力の量は増え続けるにもかかわらず、習得しても評価者にはその凄さが全く理解できないというケースが、日本企業では頻繁に起こります。

「いやいや、スペシャリストの方が価値ありますよ」という意見を持つ人も多いとは思いますが、その価値が見出されるためには運も必要となるため、短期間で資金を貯めるのには適していません。

逆に、「電話対応が出来るITエンジニア」みたいなどうでも良いことで評価されたりもするので、専門外スキルの習得は割が良いです。

喧嘩も仲良くもしない

最近はかなり減ってきましたが、私が現役の頃はまだまだ飲みにケーションの文化が幅を利かせていました。

仕事が出来るかどうかよりも、上司のご機嫌うかがいが上手いかどうかで、昇進・昇給が決まるのは周知の事実でした。

ということで、上司と仲良くすればする程美味しい思いが出来る…と考える人も沢山いましたが、それは諸刃の剣でもありました

人は皆自分より若い人が可愛いものなのです。大人であるか子供であるか、男であるか女であるかは関係なく、基本的に人は若輩者を可愛く思うものなのです。

ということで、上司と仲良くし過ぎると上司から依存されるようになります。こうなると、私生活への影響も大きく、また会社でも「あいつ課長のお気に入りだから」みたいな敵視をされるようになり、逆に立場が悪くなる危険性もあります

しかし、「飲みに行こう?残業代出るんですか?出ない?パワハラですか?」みたいな極端な反体制思考も良くありません。正しいかどうかはともかく、誰だって扱いにくい人と一緒に仕事などしたくないのです。

ということで私は、仲良くし過ぎず、だけど喧嘩もせずという距離感を保つよう心がけていました。

なお「一見喧嘩しているように見える」「一見仲良くしているように見える」人であっても、実際は適度な距離感を保っている人というのは実は沢山います。

正義を求めるのではなく、現実を直視する

最近は労働環境についての監視が厳しくなってきていますが、それでも会社というのは「経営者のための閉じられた世界」です。

社会的な正しい行いではなく、経営者の欲望を実現するのが会社です。そのため、会社で求められる人材というのは「経営者にとって美味しい人」に過ぎません。

  • なんでも経費で通してくれる経理
  • サービス残業毎月100時間やってくれるエンジニア
  • 自分好みの可愛い事務
  • 裏金必ず取ってくる営業
  • 休日にゴルフに付き合ってくれる新卒

こういった人は、程度の差はあるものの大抵の経営者に好かれます。仕事と全く関係ない要素もありますが、仕事なんて関係なくても良いのです

会社とは、資本家と労働者の間で契約を交わしてお金と労働力を交換する場です。資本家はお金を稼ぐために労働力を雇うわけですが、同時に「労働以外で自分にとって都合の良い人」も雇います。どちらを重視するかは資本家が決めることであって、労働者には何の決定権もありません。

どんなに綺麗ごとを語る経営者でも、こういった本質は十分に理解しています。そこに正義を突き付けても厄介者扱いされるだけで、一銭の得にもなりません。

会社は経営者のものであるという現実を直視し、その会社が自分にとって都合の良い環境なのかどうか、割り切って考える冷静さが大切だと思います。

適度な仕事の囲い込みは自分に得だと考える

仕事が人に依存するのは良くないことと考えられていますが、それは経営者にとっての話です

労働者から見れば、自分にしか出来ない仕事は自分の価値につながります。経営者が経営者の利益を追求する以上、労働者も労働者の利益を追求してやれば良いのです。

といっても、それをやり過ぎると業務過多になってしまうので、その範囲は適度である必要があります。

ITの世界ではしばしば「これからは新しい言語とフレームワークでやろうぜ!」みたいな人があらわれますが、こういった人の中には「この技術なら熟練者がいないから勝てる」みたいな目論見を持っている人が少なくありません。

まとめ

まとめると

  • 今の職場だけでなく先のことを考える
  • 専門性高めるより幅広いスキルを身に着ける
  • 会社の人間関係は付かず離れず適度な距離で
  • 会社は経営者のものという現実を直視する
  • 仕事の囲い込みは労働者にとってはプラスと考える

という感じです。他にも色々ありますが、長くなり過ぎたので今回はこの辺で。