氷河期エンジニア、セミリタイアはじめました

セミリタイアしたけど結局1年でサラリーマンに戻りました

効率的にお金を貯めてセミリタイアするためにはどうすべきか

ネット上などでセミリタイアや早期リタイアを目指している人を沢山見かけますが、手段が危険だったり、明らかに間違っている人も見受けられます。

私の考えが正解とは限りませんが、実際にセミリタイアを達成した立場から、どういった手段でセミリタイアを目指すと良いのか考えてみました。

いきなり起業は期待値が低い

いきなり起業して大金を掴もうとする人が割といますが、その手法はお勧めできません。

金もコネも経験も無い状態での起業は利益を出すこと自体が難しく、仮に利益が出たとしても会社勤めで稼げる金額を超える保証はなく、また成功するかどうかは運に大きく左右されます。

起業の結果稼げる金額・起業の成功率・起業により失われる就業経験の3つを考えると、セミリタイアや早期リタイアがゴールなのであれば非効率です。

ただし、セミリタイアではなく最短で大金持ちを目指す(20代で10億とか)ということなのであれば、起業せざるを得ないとも思います

いきなり専業投資家を目指すのは絶対ダメ

夢見がちな人がやってしまう失敗パターンの第1位ですが、50万円を元手に投資で1億円を目指すみたいなのは絶対にやらない方が良いです。

投資の神様と言われるウォーレン・バフェットですら長期の成績では年間利回り20%程度の成績です。しかも、バフェットの活動期間は金融が一気に発展した時期なので、最高の環境に恵まれた上での成績です。また、その期間の中には年間でマイナスになっている年もあります

仮に、50万円を年利20%で運用したとしても、1年後に60万円、2年後に72万円、3年後に86.4万円…と増えるには増えるのですが、大した額にはなりません。生活費すら賄えないでしょう。

別途収入があって、少しづつ積み立てて行くというのなら投資は非常に有効な手段ですが、専業でやるなら最低でも1,000万以上は資金が無いと話になりません。

ネット上には美味しい話が沢山出てきますが、あれは稼げない人が小遣い稼ぎのために書いてる創作です。

もちろん、1万人に1人くらいは投資で大勝ちしてしまう人もいるのですが、自分が9999人の方に入らないと思える人以外にはお勧めしません。

若い人は会社員スタートがお得

会社員には多くのメリットがあります。

スキルの習得と信用の構築

一つは、スキルの習得と信用の構築が同時に出来るという点です。

スキルは独学でも身に着けることが可能ですが、独学にはデメリットも多くあります。課題を自分でコントロール出来てしまうため、視野が狭くなりがちだったり、想定外の経験を積むことが出来なかったりします。プロスポーツ選手が専属のコーチを付けるように、やはり他人の目は大事だということです。

また、実際にスキルを身に着けていることと、それが他人から信用されるかは別の問題になります。

例えば、独学でかなりのプログラミング能力を身に着けた人がいたとしても、職歴が無ければ「素人に毛が生えたようなものだろう」と多くの人から見られます。結果、個人で仕事をする場合でも、起業して会社を興す場合でも、信用を得ることが出来ず様々な面での苦労が予想されます。

しかし、プログラムは人並みにしか書けないけれどGoogleに勤めていたことがあるという人であれば、周りの目は「Googleが認めた人なんだから凄い技術力があるに違いない」となります。こうなると、起業すれば「元Googleの天才が起こした企業」としてもてはやされ、個人事業を行う場合でも「Googleにいた人なら信頼できる」と思われ、仕事が取りやすくなります。

Google程の会社でなくとも、日本は特に会社勤めを重視する社会なので、職務経験の有無は信頼に大きな影響を与えます

コネクションの構築

また、日本で大事なのは信頼以上にコネです。

個人で仕事をしていると実感しますが、仕事に大事なのは能力の有無ではなくコネです。素人が遊び半分で作ったような酷いシステムの相談を受けることもありますが、多くの人はアドバイスだけを求め(しかも無償で)、そのアドバイスを作った当人に伝えて何とかしてもらうという発想をします。

作った当人に能力が無いから他者のアドバイスが必要なのであって、その当人が改修しても上手く行くわけがないのですが、「お世話になったから」とか「付き合いが長いから」といった理由でコネを優先する人は非常に多いです。また、その付き合いのために他人に不利を強いる人も非常に多く、「俺の付き合いのある人にお金渡したいけど、その人だと能力が足りないからお前が手を貸せ、無料で」といった要求が当たり前のように飛んできます。

しかし、これは裏を返せば、自分がコネクションを作ってしまえば、その「付き合いのある人」の立場に行くことも可能だということです。

個人で活動を始めて、そういったコネを作るのは非常に難しいですが、仕事上の付き合いであれば比較的容易に作ることが出来ます。

若くない人は冷静に自己分析を

もう若くないからそうもいかないという人もいるでしょう。そういった人は、今どのくらいの資産があるのか、自分の市場価値はどの程度かなど、自己分析を改めて行うことをお勧めします。

転職で給与が大きく伸びる状況にある人も居れば、副業に最適なスキルを持っている人もいるでしょう。ひょっとしたら、親の遺産を相続しただけで達成出来るという人もいるかもしれません。

若い人のような無限の可能性は無いかもしれませんが、今まで培ってきたスキルや経験を活かせる道が隠れている可能性があります。

最終手段として株やFX全力という博打もあるかもしれませんが、より確実なルートが無いのかよく検討してみた方が良いと思います。私自身は20代後半までほとんど貯金無しという状況でしたが、小規模企業狙い撃ちの転職+副業+投資という手段でそれなりの資産を築きました。有名大学→大企業、以外のルートにも稼げる手段は隠れています。

会社勤め一本でセミリタイア資金到達は困難

ストックオプションのあるような会社なら別ですが、給与所得だけでセミリタイアが困難なのも事実です。

社長が100億の絵を買い、月に行くなんて会社もありますが、社員の給与は人並みです。1年かけても社長の1日分の所得にも届きません。これが会社です。

ごく一部の大企業は別として、ほとんどの会社の給与は「一生働き続ければ食べていける」程度か、それに毛が生えた程度の金額です。そんな額ではセミリタイア資金を貯めるのに最低30年はかかってしまいます。

セミリタイア後にどの程度稼ぐかにもよりますが、早期にある程度まとまった蓄えを作りたいのであれば、投資や副業は必須です。

資金集めの序盤に関しては、まずは何かしら副業をやるためのアイデア出しを日々行いつつ、少額を配当狙いの個別銘柄や信託報酬の低い投資信託に回すのが良いのではないかと思います。実際にどの程度の収益になるかはわかりませんが、投資や副業を全くやらずに早期セミリタイアは幸運が無い限りほぼ不可能だと私は思います。

まとめ

ありきたりな内容になってしまいましたが、私の考える早期セミリタイア実現方法は

  • まずは会社勤めを数年~十数年
  • 会社勤めの目的はコネと自身の信頼度の構築
  • 給与所得を得ながら副業も必ず行う(超重要)
  • 給与、副業収入の一部は堅い投資に回す

です。これが最も期待値が高くなるのではないかと思います。

もちろん、ある程度の資産が出来てきたら大きな投資に出るのもアリだと思います。成長株に手を出すとか、資産の一部を使って事業を起こすとか、資格取得に使うとか、お金が出来てくれば選択肢は色々増えます

博打的な手法を使えば話は別なのでしょうけど、私の結論は「とりあえず働いてお金貯めながら色々やる」になります。